ロード・トゥ・文学フリマ2011-夏〜EBRA問わず語り〜
Welcome to Saturday night aBre!
お久しぶりです、此礼木冨嘉です。え、EBRAですか? シリマセンヨそんなの。何の話をしているんです? え、土曜の夜じゃないだろうって? やだなー、日付を見て下さいよ。そして次は外を見るんです。どうです、暗いでしょう? そういうことですよ。
というわけで、皆さん、すみませんでした。
わたくし、此礼木冨嘉による悪ふざけに付き合っていただき、ありがとうございます。皆さんはEBRAにおける所属、参戦レスラーとして名前が列挙されてる人たちが、過去4号7冊のaBreに収録されている短編小説の登場人物たち、あるいはそのオマージュであったことにお気づきだったでしょうか。今回のこの、「aBre収録短編小説の登場人物を戦わせる。できればプロレスで。そして作品の枠は超える」という発想は、実はこのブログ担当に就任した12月のある日のココスですでに胸に秘めていました。その時は「実在のレスラー連合軍vs aBre防衛部隊」という形で、時折aBreメンバーが裏切りを見せたり、というのを考えていたのですが、このブログには「プロレスクラスタ」よりも「文フリクラスタ」「エンタメクラスタ」のほうが人口が多い、というか、プロレスクラスタが私一人しかいないのではないか、という想像が容易でしたので、実在のレスラーを登場させるのは控えました。
今回様々に魅力的な登場人物を使うにあたり、aBreの過去7冊を読み返したのですが、その登場人物の多いこと多いこと。作者ごとに登場人物の数に大小があるのも、ひとつの発見ではありました。それでは、一試合ずつ問わず語りをしていこうと思います。
- 第一試合
WWEという世界最大のプロレス団体には「ベラ・ツインズ」というニッキーとブリーという姉妹がレスラーとして登録されています。また日本でもバラモン兄弟などのレスラーが存在します。最初にこのことを念頭に置いていた私が、背川有人「アッシリア人の書簡」(ver.3B)のムラト家の子供達に着目したのは自然な流れでした。そうなったとき、タッグチームを作らなければならない、と思ったらすぐ、それなら作品が違う人がタッグを組むのもアリではないか、と気づきました。同時に間宮篤「名探偵の友人」(ver.4a)の重要人物の宮部葵が浮かび、その母が千里というのを思い当たり、なら拙作「サボテンの咲かない部屋」(ver.3B)の千里と同じ名前で、葵に年が近い(ようなきがする)と考え、タッグチームを結成しました。また、秋梨「座敷わらしの恋」(ver.3a)の紫とゆかりは、若干ネタバレ感がしましたが、名タッグになると思って組ませ、結果、低年齢ジュニアの女の子(?)たちによる3WAYタッグ戦、ということになったのです。
- 第二試合
第一試合もそうでしたが、「何故旗揚げ戦をするはずの初っぱなの団体でベルトを巡るストーリーがあるんだ? 何故王者が存在するんだ?」という疑問から、この記事の破綻が発生しています。しかし、この穂坂一郎「筋肉男」(ver.2)の小日向剛は、是非肉体派かつ正統派として登場させたいと思い、彼に箔を付けるため、ハードコア戦としました。無気力レスラー、の件は女子レスラーとして現在活躍する、真琴選手の経歴をもじりました。相手方のG of エイブモズはAger-Oryzae「ザクヴァス山脈の一村における高地ゾンビ語の記述および考察」(ver.1B)の主人公です。名前が明らかでなかったので、作中記述のエイブモズさんの招待客、という意味で「Guest of エイブモズ」ということにしました。外国人らしい外国人としてはこの人が適任だろうと思ってこのマッチメイクにしました。記述していませんが、小日向のセコンドにはきっとポニーテールの女の子がついているはずです。
- 第三試合
当初から考えていたのは、背川有人「POTATO〜じゃがいもの逆襲〜」(ver.2)の襲い来る大量のいもをリングの周りに設置したランバージャックマッチをしたい!という願望でした。そうなったとき、思い切りへたれなキャラクターによるコミックマッチでもよかったのですが、ちょうど最近、日本でブードゥーマーダーズ、アメリカでNexusが猛威を振るったことを思い出し、ヒール(悪玉)ユニットというのを思いつき、ちょうど漆野束「我楽多道中記」の登場人物達が良い具合に奇妙で愉快だと考え、鈴様をトップとしたユニットを創作、前述「POTATO」のツァーリいもとのハンディキャップマッチという構図にしたわけです。
- 第四試合
今回気付いたのは、各々の作品の中で意外と「三人組」あるいは「主要人物が三人」という構図が多い、ということでした。つまりこれは当然、3名によるタッグ戦しかない、と考え、このようなMixed タッグマッチになりました。背川有人「学園都市怪談」(ver.4B)の主人公三人組に、拙作上述「サボテン〜」の主要三人組をぶつけました。このとき片方に入っているThe Gameは、当初G of エイブモズとのダブルGとしてタッグを結成しようと思っていたのですが、想像以上に男二人組のタッグとして匹敵する組み合わせが難しかったこともあり、秋梨「ワンダー・ワンダー・マトリョーシカ」(ver.4A)の主人公にリングネームを付け、登場させることになったのです。ちなみに妄想の中ではAOIは第六試合で名前だけ登場する加納というチャンピオンに欠場寸前までの怪我を負わされ、それ以来時々情緒不安定になる、というヒールターン直前のベビーフェイスな感じに考えています。
- 第五試合
この試合は最初に私がブログ担当になって、エイプリルフールにプロレスネタで記事を書こう、と思った時、真っ先に思いついたカードです。これは垂崎依都「鳩に捧げる奇想曲」(ver.3A)、「独りよがりな即興曲」(ver.4B)のシリーズに登場する登場人物のみでマッチメイクされたもので、実は第四試合の「学園都市〜」の三人組とのタッグマッチも候補にあがっていたのですが、やはり純粋にこのカードで対戦させた方がいいだろう、と考え、対決に至りました。なお、スペシャルレフェリーとはその試合だけ裁く権利を与えられた、本職ではないレフェリーのことで、これは興行のゲストや別のレスラーが担当したりします。ここで彼女がどんな審判をするか、個人的には一番気になるカードです。サムライTVで見たい。
- 第六試合
この試合形式は本家WWEの興行でも最も好きな試合形式で、このときのオールスター感は半端ではないです。それを今回採用したのですが、この試合形式の最大の魅力は、「誰が出場して何番目に来るのか、全く予想が付かない」という点があるので、キャラクターの列挙も入場順番も書いてしまったら面白くない、という苦悩がありました。とりあえずチャンピオンに誰が来るかと考えたとき、作中での扱いは中堅だが、男性で、かつ大人であることを考え、穂坂一郎「女神の花束」(ver.3A)の加納をチャンピオンに据えました。妄想の中ではこの興行に登場するキャラクターは
カグヤ、イツキ号、竹三、金平太、アレクサンドラ、マール・バーニ、尼ヶ崎、瀬谷、橋本、小野俊城、美子、柴田、裕美、るり子、パパ、バナナワニ、ブリギット、セオドア・ベア(クマ)、鈴様、阿左美、介良、真田、片倉五十鈴、深見、秋津、雪村美咲、悠、キリ姉、ヘレナ
が順不同で入場するという予定でした。同じ人が二回出てるって? ははっ、何の冗談です?
ちなみに、このロイヤルランブルでは27番目に入場したるり子(穂坂一郎「幻想家族」(ver.1A))が優勝し、12月の興行にて加納から最高王座を奪取。その後ヒールターンしてヒールユニット「プレイハウス」を結成。今回の興行でハードコア王座を海外に流出させてしまい、海外修行に出ていた小日向剛が一年後の興行にて不利なランバージャックマッチで王座に挑戦、苦難のすえにベルトを奪取し、初の王座獲得、というストーリーになっている。あ、ネタバレしちまった
ッというあたりで、「誰も得しない俺だけ楽しいエイプリルフール」のさらに「俺しか得しない裏話」を終えたいと思います。お付き合いいただき、ありがとうございました。
aBreは、次回の文学フリマにエンタメ同人サークルとして参加します。小展示ホールでは様々に魅力的なサークルの皆さんが活躍いたしますので、間違ってもプロレスを観に来ないで下さいね
本年度も、「よみごたえ第一主義」のaBreをよろしくお願いいたします。
(記録者:此礼木冨嘉)