アブレの国の牛濱その4「監獄の日、夏の盛りより act.2」編
aBre vol.9の主人公になりきった牛濱がどういう状況かさくっと説明する記事です。
10歳の頃の自分にタイムマシンで伝えにいけることがあると言われたら僕はどうするだろう。まず10歳の僕をさんざん脅かしてやるべきか、それとも未来の僕に会ったことなんていつか忘れてしまうようなどうでもいい経験を演出するべきか、選択肢はいろいろある。
特に悩まずに、思いついたことをしゃべるとすれば、僕は彼女がいる。今、ちょっと入院している。愁嘆場を連想させたいわけではない。
あと奴隷を買った。買った、でいいんだと思う。念のため言っておくと僕は別に富豪になっているわけじゃない。よぶんな持ち合わせもない普通の学生だからあまり期待されたくない。
それから日本はゾンビだらけになっている。僕が知ってる限り、足ははやくない。
なんだか事実をままに話すのはあまりいい方法じゃなさそうだ。
ちょっと視点を変えてみようかな。たとえば10年後の僕が今の僕に何かを伝えにきてくれるとしたら僕は何を聞きたいか、考えてみよう。
10年後の僕が、今の僕を思い出すことがあればの話だけど。
監獄の日、夏の盛りより act.2
ゆるぎ俊哉
【読後感 じりじり】
じりじりするのは夏だからです。
ヤミーな要素がふんだんに盛り込まれておりました。この作品を紹介するうえで欠かさない方がいいと思ったワードは上に入れましたが、私はそういう要素をうっちゃっても切実なものがある話だと感じます。
あとタイトルの「act.2」の由来とか、気になりますよね。
ゆるぎさんは各所での精力的な活動もありますので、ぜひそちらもご注目ください。
aBre vol.9「買う(buy)」
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