あぶれん坊万歳!!

エンタメ同人誌aBreのブログです。2015年5月4日第二十回文学フリマ東京(C-32)に参加します。

2010-05-19から1日間の記事一覧

『女神の花束』穂坂一郎

――銀河の歴史の全てを集めた「博物館都市」。しかしその実態は歴史を裏で操る秘密組織なのだ。 突然舞い込んできた絵に隠された秘密を金髪美女と小太り中年が暴く、新感覚ミュージアム・ストーリー。 - 第一声が「館長を呼んでくれ」である客にろくな客はい…

『座敷わらしの恋』秋梨

――この夏、退屈な田舎にて、俺と少女が、出会った(下條アトム風に) - 暑い。 思い浮かぶのはその言葉だけだった。蝉のがなり声がその言葉を更に重くさせる。暑い暑い暑い。おのれ田舎。冷房のない祖父さんの家が憎らしく思える。首を伝っていく汗の感触が…

『鳩に捧げる狂想曲』垂崎依都 (『道化師の紡ぐ狂想曲』より改題)

――平穏な吹奏楽部に、突如鳴り響く不協和音……次々と起こる事件に振り回される少女、マメの運命や如何に!? - 微妙に鈍い。 指先の違和感に私は腕を下ろした。問題の箇所を目の前に持ってきて、ばらばら指を動かす。その動きを追うように、カシャカシャと金…

『サボテンの咲かない部屋』此礼木冨嘉

――咲かないサボテン、枯れる花。夏の海、私たちの部屋。 - 昨日のお酒が残っているのか、ずんと重くのしかかる頭を右手で軽く押さえ、森は何とか児童館の玄関にたどり着いた。「おはよう、科(しな)ちゃん。今日はぎりぎりだね」 霞む目をこすりながら靴を…

『アッシリア人の書簡』背川有人

――紀元前10世紀、アッシリア人姉弟が身を寄せた沙漠の隊商を、姿なき魔のものの爪が襲った……。 アッシリアの少女が綴る粘土板文書が、おぞましい事件の真相を紐解く。 - 第一の書板、表 我が大恩あるあなたへ、アッシリアのシャムハトが葦筆を執ってこの書簡…

最新号立ち読み一挙公開

お待たせいたしました。5月23日第十回文学フリマにて発行いたします最新号、『aBre』vol.3収録作品より、毎号恒例の「立ち読み」企画、五本の作品の冒頭を公開いたします。 ミステリに恋愛、学園から田舎から古代まで、お楽しみください。以下の作品が収録さ…