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動物的なヒロイン、書けよ。
そんな提言から始まった、今作「Girls in the Zoo」。テーマとしては、訳すなら「動物園の中の少女たち」だろうか。
動物園、というには取り上げられた動物たちのラインナップは比較的身近であまり目新しいモノではないだろう。しかし、我々は動物たちをコンセプトとして小説を寄せた。
7作。短編小説7作である。
そのどの作品の頭にも序文が載せられている。
「あなた」は、動物園にやってきた、来園者である。
用務員か支配人か。「あなた」を動物園に誘うのは、男である。
「あなた」はどんな【ヒロイン】に、この動物園で出会うのだろうか。
そのうちの一作は、深沢七郎の「極楽まくらおとし図」をもじった「贋作まくらおとし図」という小説だ。私が書いた。
黒髪黒服の女に出会う、無頼系高校生、彼が遭遇する、女の身の上話の物語である。
正直、かなり力を入れた。
そのほかにも6作収録されている。どれも力作だ。
それ以外にも、見開き数ページの7枚のコラム、エッセイも寄せられている。
心から、オススメする。
「贋作まくらおとし図」の作者、此礼木冨嘉はこの名義をこれっきりで終える。
見届けて欲しい。どうか。
文責:此礼木 冨嘉