アブレの国の牛濱その1「彼と私と特売の罠」編
aBre vol.9の主人公になりきった牛濱がどういう状況かさくっと説明する記事です。
最近、家にいるあいだ、彼氏がPCをいじってばかりで相手してくれない。
仕事というわけでもないのに、何やってんだかと思うと、ずっと価●コムとにらめっこだよ。新しいPCを買いたいらしいけど、もうずいぶん迷ってるみたい。
いいかげん! にしろ! と言いたい。私だって同じ値段で高機能なものとそうでもないものあったら、そうでもないもの買っちゃったってあとで気づくのはいやだし、アフターサービスのこと考えて、ちょっと高いけどこっちにしとくか、いやいやゼイタクはエネミーだとか考えては考え直したりとか、気持ちはわかる。すっごくわかる。
私だって、毎日そんなことばっかり考えてるけど、でもね、私の電卓にはちゃんと「損得を考える時間」っていうコストだって勘案されてるんだからね。そこがあなたとの違いだと思う。聞いてる!?
なんて熱弁ふるってたら、●●が△△△に◆◆されちゃって、ついでみたいに私まで◆◆されちゃって、こんなとこで●●のこと気にしながら節約することになっちゃった。しっかりしすぎなのも、考えものとか?
彼と私と特売の罠
垂崎依都
【読後感 にやにや】
aBre vol.9の巻頭を飾るのは、カップルのチワコメ(痴話コメディ)、ストレートで突っ込んできたと思ったらバットを振る前にぎゅるんと逸れる掌編です。
この作品で牛濱は新たなジャンルの開拓ができました。経理系女子です。
しっかりしてるけど、その芯になる動機がまっこと乙女らしい女性はたいへん魅力的です。
aBre vol.9 「買う(buy)」
11月4日(月) 第17回文学フリマ(東京流通センター)
aBre(C-36)で発売します。どうぞお気軽にいらっしゃってください。